日本語教師によるアクション!に参加しました

ご覧いただきありがとうございます!


2月4日、日本語教育支援協会主催の「日本語教師によるアクション!~文化庁日本語教育小委員会にあなたの声を届けよう」にZoomにて参加しました。

参加者の中には日振協や日本語教育学会などでお見掛けする老舗の日本語学校関係者の方々も。


日本語教師こんぶの会のメンバーで出席できるのは私だけ。

しかも、お世話になっている日本語学校の校長先生からも、「申し込みに間に合わなかったので、後で共有よろしくお願いします!」とお声かけいただいていたので責任重大!?


ゲストの神吉宇一先生が登壇される会に参加するのは、実は今年度3回目です。

そして神吉先生のお話がきっかけで私はTwitterを始めました。


まずは文化庁日本語教育小委員会とは?

文化庁の中に文化審議会というものがありさまざまな分科会があります。

その中に国語分科会というものがあります。

そしてさらに2つの小委員会に分かれます。

こんな感じ↓

2018年3月に文化庁が「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」を出して以来、日本語教師の資質や資格化の問題が新聞でも報じられるなど、話題になりましたね。


この小委員会の構成員15名は以下の通り。


以下、最初の神吉先生のお話を簡単にまとめます。

*日本語教育に関わる仕事をしている限り、政治から離れることはできない

*私たち一般人でも小委員会の傍聴は希望すればできる場合がある

*報告書を書く前には必ずパブリック・コメント(パブコメ)を募集する

*パブコメでまず重要なのは、<量>・・・少ないと必要度が低いと判断される

*15名の委員だけで決定することは危険?なので、パブコメは重要


途中、私は子供の食事などのため少し退席きましたが、まずはざっくり上記のようなお話のあと、会場参加者やZoom参加者からさまざまな意見や質問がざっくばらんに出されました。


本当にいろいろな観点からの話がいろいろな立場の人から出されたのですが、私が個人的に特に重要だと感じたことは以下の3点。

 1.日本語教師は自分の専門性として自分にできることを提示すべき

 2.「日本語教育の推進に関する法律」は、日本語教育(本来は母語教育も含めるべき)を必要とする人々の権利を保障し、国に責任を持たせる意味でも重要

 3.個人としての発信だけでなく、日本語学校など組織としての発信も重要


まず1について。

Twitterでもときどき話題になっている働き方に関わってくる部分でもあります。

多様な働き方があるし、自分にできることをすればいい・・・その通り。


でも、もしも「日本語教師」を職業として名乗るなら、私はやはり専門性は欠かせない要素だと考えています。


神吉先生はいつもおっしゃっていると思うのですが、

「時給〇万円もらう覚悟はあるか」

ということ。


私自身、日本語学校での非常勤講師もしていますから、「割に合わないなあ」と感じることはあるのです。

でも、じゃあ例えば、「明日から時給5万円です」と言われて、それに見合うだけのサービス=教育を提供するだけの力を自分は持っているのか?

ちょっと考えてしまいます…


私は、日本語学校などで働く場合は、自分にできることやしたいことを提案させていただきます。

反応はさまざま。

ニコニコしながら受け流されることもあれば、無視されることもあるし、うまく使ってくれるところも。

「自信」などではなく、私が見ているのは「学習者」なので、「自分が学習者だったら」と考えると、言ってしまうことが多いです。


「専門性」については、参加者からもその中身について議論する必要があるとの意見がありました。

その通りです。

ただ、その専門性につながる「教師の成長」は、個人だけに任されるものではないと思います。

それが、私たちの活動の源泉になっているわけですが(^^;)

これからもしっかり考えていきたい問題です。


2について。

私は昨年6月に神吉先生から「日本語教育推進基本法(当時の仮題)」についてお聞きする機会があり、これはもうすぐにでも実現するものだと思い込んでいました。


でも、12月に法務省の「外国人の受け入れ・共生のための総合的対応策」が突然出され、驚いたり混乱したりした方もいらっしゃると思います。


これが首相官邸主導で進められたため、ほとんど中身はないのにあれよあれよという間に出されたと知り、妙に納得してしまいました。


そういうことだったのか・・・


そもそも、外国人を受け入れる前提があるなら、「移民政策」について論じるべきだったのです。

けれど、政府の「移民政策はとらない」という建て前から、それでも何とか外国人を周辺化しないために日本語を保障するという意味合いで出されたのが「日本語教育推進基本法」だと理解していました。


だから、本来は真っ先に法制化されるべきものなのです。

よく読んでいただければわかります。

日本が、政府見解のとおり「多文化共生社会」を目指し、外国人とも協力しながら活力ある社会を目指すなら法的根拠は必要なのです。

 イメージはこちら↓

 本文はこちら↓

年末来、「日本語教育の推進に関する法律」の署名運動が始まりました。

その過程で、私は個人的に「署名の集め方に問題がある」「法制化されたところで現状は変えられない」という意見を聞きました。

中には、「総合的対応策」と取り違えている人もいたようです。


このことを通じて思ったのは、神吉先生もおしゃっていましたが、

「権力」はやると決めたら、何が何でもやる

ということ。


じゃあ、そこに何か意見をさしはさんだり、修正を加えようとしたら…

3、しかないんですね、現状。


ということで、3。


現在、さまざまなSNSを通じて、少しづつ声を上げ始めた日本語教師。

私もその一人です。

でも、まだまだ少ないですね。


個人として声を上げることも大切なのですが、今回のミーティングを通じて強く感じたのは、「学校などの機関としても声を上げる」です。


日本語学校や日本語教師がメディアに取り上げられること自体、とーっても少ないですが、

取り上げられるのはたいてい「悪の温床」的報道です。

技能実習生もそうです。


「悪い」人やところは確実にあるので、それを公にすることは重要です。

そして、社会問題として注意を喚起することも。

「悪い」人やところを、極力減らしていくことも。


でも、そればかりがクローズアップされて、地道な取り組みや学習者の笑顔がすべてないことになってしまうのは、あまりにも残念です。


会場からも、地域に根差した学校の取り組みや活動が紹介されていました。

とてもすばらしいことばかりです。

「知らない」ことが「恐怖」を生むなら、相手が特に知りたくなくても知ってもらうしかありません。


これは、最後の方で神吉先生がおしゃっていた、KY力みたいなものにつながると思います。

昨夏、「日本語教育の推進に関する基本法」の原案を取りまとめる際、海外勢から「海外在留邦人の子」についての記述を入れるよう申し入れがあったエピソードが紹介されました。

「なんで、今になって。空気読めよ~~」

といった状況だったけれど、このKY力によって第19条が書き加えられたわけです。

ブログでも紹介されていましたね。


神吉先生のブログ(上記の経緯が書かれたもの)はこちら↓




KY力だけには自信がある!?私なので、このスキル??はこれからもしっかり磨いていこう!と思ったのでした。


以上、個人的に思ったことをつらつら書かせていただきました。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


私たち日本語教師こんぶの会は、これからも自分自身にできること、やりたいことを問いつつ皆様と語り合いながら学び合う場を設けて行きたいと思っております。


最後に!!


今週末(2月9日)ワークショップを開催いたします。

「『漢字ができる』ってどういうこと?」

今年後最後のワークショップになると思います。


迷っていらっしゃる方、急に予定が空いたよ、という方、どうぞご参加くださいませ。


ご意見、ご感想なども、お気軽にお願いいたします。

それでは、今度こそ!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

日本語教師こんぶの会

教師としての成長を目指す日本語教師のグループです。

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